■431.cwf4×4(バ/030315/洲本市池内







曇天模様の日にも撮影の機会があればうろついてみる。
そうしてこういう風変わりな農民車を見つけると、幸せもいちだんと高まるというものだ。

事情はよくわからないが、ここは古めの様々な農民車が置いてあるところで、
他にも2.3台あったが、このページではこの迫力あるバキューム車を紹介する。
配管やリンクレバーやハンドルがいっぱいくっついていて、
なかなか楽しい車体である。








                                                     ■432.






それらひとつひとつがどういう役割を果たし、どう動くのかさっぱりわからないが、
レバーは排出口と吸入口の扉を開け閉めするものらしい。
おそらくだが、後部の上側の配管は吸い上げ用で、この場でレバー操作するようだ。
その下側にある配管は排出用で、この扉はタンクの上部を通って運転席から操作できるように
なっている。レバーはだいぶ長いので、操作には支障がでたであろうことは
想像に難くない。運転しながらタンクの内容物を放出しなければならないものなのだろうか?
その開閉方法にはスライドする板を使っているが、これで密閉が可能なのか?

排出口の下には流れ出る液体を後方へそらすための半円形の板がついている。
ひょっとすると、この農民車はバキュームという名称から連想される糞尿ではなく、
液肥などを畑に撒くための装置なのか……。
車体後端は、酸性の液体がかかるせいか、腐食が激しい。だいぶ長い車台だが、重量のある
タンクは後輪軸のほぼ真上に据えれらている。これも排出口をかわすためだろう。
満タンにして上り坂にかかると、前部が持ち上がってしまいそうだ。
こわいこわい。



タンクには
 
TAKAKITA S-1400

なる表示があるが、それを検索してみると、『尿散布機(タンク車)』
というカテゴリーでタカキタ(農業用機械メーカー)がかつて造っていたものらしい。なるほど、
普通のバキューム車のタンクとは色と形状が違う。どうも材質も特殊なもののようだが、
はて、尿を畑などに散布しては作物に悪影響はないのだろうか。
農民車そのものの問題ではないのだが、わからないことがあると気になるものだ。







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もうちょっとタンクを前に置いてもよさそうなくらい間があいている。
ありあわせの車体に載せてみたのだろうか。
運転席は市販車のものらしいが、雨の日には座りたくない状態になっている。





さて、毎度おなじみおたけさんからの解説です。
あいかわらず詳しいなあ…。


写真の農民車は、M鉄工製の4輪駆動農民車に1400リットルのバキュームタンク仕様です。
元々は牽引式バキュームカーだったのを、農民車の荷台に載せる様に改造されています。
トラクターの動力で駆動するタイプだったので、真空ポンプはタンク下部に取り付けられています。
吸管ホースが取り付いてないのでマンホール近くに駐車する使い方でしょうね。
田んぼで散布する目的で使っているため、後部下に有る受け皿のような部分に
糞尿をぶつけ幅広く散布できますが、
後側でバルブを開けると開けた人に糞尿が掛かってしまうため、
長いレバーで対策されてます。
排出バルブも3インチの大型バルブなので、この製品はイタリア製のバルブが取り付けられています。
利用者がまめに洗浄すれば良く使えて15年程度は持ちますが、
20年もしないうちに真空圧でタンクの錆びた部分に穴が空き、
その製品の寿命を迎えます。



おたけさん、ありがとうございました。
近野の生煮えな解説に対する説得力ある考察、恐れ入ります。
糞尿はやはり田んぼに直接撒くようですが、発酵させてあるのでしょうね。
立小便も同じ場所でやり続けると草も生えなくなりますからねえ…。









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