■cwm4×4
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■97.cwm4×4/910503/五色町札の辻
「札の辻」という地名は非常に印象的で、荒木又衛門をおもいだす。堺・広石・鳥飼の旧三村境にあたっているので、
撮影地点が何村なのか定かではない。
ところで、これをミッドシップ(cwm)と表記するのは苦しい向きがあるとおもう。便宜的に座席の下、あるいは横に
エンジンが搭載されている場合をミッドシップとよぶことにしているが、写真の車両はフロントシップともみえる。
■98.
しかし、98.では、エンジンの前部をわざわざ取り去ってあり、そのためハンドル基部がいくぶん飛び出している。
おそらく前下方をすこしでも見やすくするための措置だろうが、見やすくするためにわざとエンジンも後方に
据えている、ともとれる。配置に意図的なものがみてとれたので、当車をミッドシップに該当させた。
さて、とりあえずハーフサイズのカメラで撮ったこの写真は不鮮明このうえないが、農民車として、この車は
だいぶ不細工である。肉眼でみた印象も、工作自体はそんなに見苦しくないのだが、エンジン架の前部がないので
不安定な出来になってしまっている。
椅子とペダル類がはなれているので、操作しずらく危険だという、ミッドシップ特有の欠点が露呈している。
アオリ板に柵を追加してあるのが工夫だが、このように粗い乗り様をされては、とれてしまうのも時間の問題だ。
この柵の横棒は二本ともとれてしまっていて、ありあわせの板きれでつくろっている。
せっかく製作でアイデアを盛り込んでも、造りが粗末だったり、使用者が無頓着だとどうしようもない。
ラジエーターの前にある白い容器はなんだろうか。ウィンド・ウォッシャーのタンクでないことを祈るが、
はたしてどうだろう。
cwm型は、動物でいえば珍種で希少種である。ゆえに記録として大事にしなければならない。