■cwm4×4                                                      

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            ■192.cwm4×4/000501/洲本市大野白髭

 

 

 農民車を採集するとき…つまり写真撮影をするときは、少々あぶなっかしいのだが車を運転しながら

周囲を見張っている。ノロノロ運転になるので、田舎道とはいえ迷惑な行為になってしまうのだが、

時間が惜しいのとなるべく目立たない形で収集したいので、これが基本の方法になっている。世間の評判に

なることだけは避けたいものである。

 

 

 ■193.

 

 

 写真の農民車は、よくある農家のスレート倉庫に停車してあったものだが、この場合は倉庫の扉がわずかに開いていたので、

そこから特徴のある四つのヘッドライトが目に飛び込んできて、

「なんだあいつは!」

とばかりに車を乗り捨て、こっそり倉庫内にはいりこんで撮影したものである。充分あやしい行動なわけだが、なにごとも

農民車の記録を世にひろめるためである。

 

 ごらんのとおり、只者ではない雰囲気に満ち溢れた、ほくそ笑みたくなるような農民車が撮れた。

cwmというエンジン配置だけでも珍しいのだが、特徴をあげる。

無意味にみえる四つのでっかいヘッドライト。一番脆弱なのに、なんの防護策もなくむきだしのラジエーター。

運転席が狭すぎて収まらなくなり、タイヤハウスに取りつけたアクセルペダル。ほんとに操作できるのか疑わしいほど

可動範囲の狭いレバー類。なんだかわけのわからない形をしたボンネット。なくてもいいようなバンパー。

 

 積載スペース意外の容積を削るためにこういう窮屈な配置になったのだと思うが、それにしても

この雑然とした感じは、かならずしも埃まみれの状態からうけるものでもない。元からまとまっていないのだ。

三つほどある、赤い取っ手のついたレバーのうち、なぜか水平にちかい角度に倒れているものがあるが、こんな

格好のレバーなど見たことがない。

 見たことがないといえば、ボンネットもそうである。いったいなぜこんな妙な形に造ったのだろう。

左側にまるく突き出た部分には、おそらくエアフィルターが収まっているのだと思うが、そこから下へは

あえて内側にくるんである。タイヤハウスに足場を確保するためだろうか。いや、もっと踏みこんで、ひょっとすると

このボンネットは補助座席を兼用しているのかもしれない。

 

 

 ■194.

 

いろいろ書いたが、もうひとつ不思議な点は、前部のとりとめのなさと比べて荷台はスッキリまとまっている

事である。これ以上整理のしようがないくらい極まっている。このことから、そう昔に造られたものではないのだろうが、

なんとも不思議な農民車である。

 

付記:平成十四年五月十八日、淡路島在住の「おたけ」さんから、この農民車について以下のような情報をいただいた。

   おたけさんには「農民車史」をはじめ、日ごろから農民車に関する仔細な情報をいただいていて、

   たいへん恐縮しています。これからもよろしくお願いいたします。

 

先日、この農民車の持ち主の方(M氏)とお話するきっかけがあったのですが、

昨年末に壊れて、最近新しくしたそうです。

それで、この農民車はどこかへ移したそうです(スクラップにでもいったのかな?)

仕様は、四輪駆動、ベルト駆動方式、ダンプ式だったそうです。

現在は、N鉄工製の直結タイプ多段変速タイプの四輪駆動ダンプ農民車らしいです

 

おたけさんへのメール

mailto:hfc02427@nifty.com

 

 

 

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