■faf4×2                                                       

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            ■25.faf4×2/91013/五色町鮎原上村

 

 faf4×2は非常に可愛らしい作業車である。実用的な車両というのは、えてして無骨なデザインになりがちだが、たまにはこうした感じのいい

ほほえましい設計のものが生まれる。むろん農民車は無意識の意匠である。製造者も注文者も、ここまで飄々とした出来上がりを想像してはいなかったろう。

 五色町・一宮町・津名町等には、この型の農民車が比較的多い。山間部が大勢を占めるこららの町では細く曲がった山道が田畑を巡っている。

 そこでは大量に物を運ぶ大型車よりも、コンパクトで小回りのきく小型軽量の運搬車が便利だからだ。

 が、その山間部のつづら折れさえも整備されて広くなり、同時に農民車の基礎になる市販車の発達によって、4WDの水冷ガソリン車が

目立つようになってきた。機械というものは進歩しつづけるし、それはいいことだが、その過程がどういうものであったかを記録しておくのも

意義のあることだと思う。特にこのかわいい姿は何がなんでも残すべきである。

 この農民車にはもはや最低限の装備しか残されていない。指示器とサイドミラーは使っているうちにもぎ取れてしまったのだろう。

 手で鳴らすクラクションも、ゴムの部分が欠損している。かろうじてライトが一個残るのみである。

 荷台には一条刈りの歩行用稲刈機が載っている。山間のおそい稲刈りが始まろうとしている。

 

 ■26.      ■27.

 

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