■faf4×4
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■469.faf4×4/930515/三原町神代浦壁
三十年も前の写真なので、記憶も薄れようというものだ。
いや薄れるどころか何も覚えていないので、記録してある情報から
推察するしかない。
撮影場所は三原平野のやや高い位置にあるところで、だが玉葱の
栽培は他とかわらず盛んだ。おそらく、午前中は早朝からその収穫に
精を出していただろう。まだ収穫機械のなかった頃なので、
これだけの量を積むのはいったい何時間かかるのか。
影がほぼ農民車の真下にきているので、ちょうど満車にしたのを切りにして、
家に帰って昼食と休憩をとっている最中かもしれない。
ふつう、淡路島の農家は納屋門、あるいは長屋門といって、
入口の両側に納屋を配置し、その両端から奥の母屋にまで便所や風呂や塀をめぐらして、
広い中庭を囲む。入り口も含めてすべて瓦屋根がついているので、
なかなかに守りを重視した結構なのだが、
いまの時代、いや三十年前でも実用性は低くなっていた。
この家も、長屋門は廃して見通しをよくし、地面はコンクリートを張って
重い車両も地面を荒らすことがない。
長屋門では農業機械を収納しきれないので、
中庭の大部分は倉庫となっているようだ。
農業をどんぶり勘定ではなく、きちんと経営しているとみられる。
全体的に、そうした家主の性格が反映した情景だ。
コンテナの積み方も堅実、農民車自体も雑な使われ方は
していないし、よけいな道具もまったく積みっぱなしになっていない。
破損しがちなライトやウインカー、その配線類も完全だ。
思う様、乱雑に使われている農民車も、かわいそうではあるが
面白味もあるにはある。
しかしやはり、機械やものに愛情を込めることは
見る者の気持ちを穏やかにしてくれるのだ。
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