■325.cwf4×4/990425/南淡町
 
 
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■cwf4×4
……………………………………………………………………………………………No.11
 農民車というものは、もとが中古の流用品から組み上げられただけあってか、もしくは
野良仕事にしか使われない極めて実用性の高い車であるためか、装飾的な部分がほとんどないのは、
これまで取り上げてきた写真でも、文章内でも繰り返してきたことである。
製作者は依頼主の希望にできるだけそうよう、なるべく早く、安く、頑丈なものを造るべく努力する。
流麗で繊細な外形を持つ市販乗用車と対極な、軍用品的質実剛健さが尊ばれるのである。
よって仕上がりは意匠とは無縁な、「成るべくして成った」外見になることが多い。
必要な部品だけを組み立てていった単純な結果があらわれるのだ。逆に、それが考え抜かれて
デザインされたものよりも大胆な面白さを発揮することは、農民車の魅力のひとつである。

 ここに更新したものは、そういう意味で度肝を抜かれた嬉しい車体である。
あらゆる車で真っ先に目を引くのはその正面であり、聞くところによるとカーデザイナーが最も神経を使う部分が
フロント部分であるらしい。その意味で、この農民車はまったく神経を使った気配がない。

 エンジンの寸法に切り詰められた一枚の鉄板に、前方を照らす役割のみのために
はめこまれた大きな単眼のヘッドライト。それらはまた最小限のボルトで留められているだけだ。
車の顔としてこれ以上簡単なものを考えつくことができるだろうか。
       
           
  ■326.
       
           
  ■327.

 これの工作を依頼した人は、まさか自分がある種の若者のように目立つことを目的として
いたわけはないだろうが、結果としてはかなりぎょっとする車である。

 きれいに掃かれて整頓された納屋が、持ち主の性格を思わせる。
さて、このページを更新してすぐ、掲示板に
おたけさんからご感想の書き込みがありました。
毎度お世話になっております。
農民車を造った工場への配慮から固有名詞は伏せられていますが、
あいかわらず具体的な観察眼で恐れ入ります。
近野の文章を補填する意味で、若干手直しして再掲載させていただきます。
おたけさん、あらためて御礼申し上げます。
ありがとうございます。





この農民車はE鉄工製ですね。
前輪デファレンシャルギヤーの大きさからすると、
変速機はトヨタ・ランドクルーザーの物を使っているようです。

最近、E鉄工の農民車はU板金に車体を供給しているようです。
製造工程を分散する方式なのでしょうか。
そういえば、U鉄工にはU板金によく似た車体が置いてあったように思います。

エンジンは面白い搭載方法ですが、ラジエターを
横向きに搭載しています。
ラジエター冷却用ファンの動力をエンジンからファンベルトで伝達するのではなく、
独立したモーターで冷却ファンを回す方法ですから、こんな形が可能なのかもしれません。
この搭載方法は、U板金の得意とする組み付けです。
それと、写真からは前の部分から横へ伸びたラジエターパイプが
継ぎ足されているように見えますね。






農民車の製造会社が工程を分担して造っているという話は、
かなり驚きでした。多量の部品をともなう大量生産の市販乗用車ならともかく、
ひと月に一台か二台しか
造れないような農民車にそのような手間をかけるとは、
合理主義なのか、それともひとつの会社にそれだけの労働力もなくなってきているのか、
どんなもんなんでしょうね。
書き込みには「E鉄工」「U鉄工」「U板金」という三つの会社が
登場しますが、近野にはひとつしか特定できませんでした(苦笑)。