■cwf4×4(堆                                                    

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                    ■235.cwf4×4(堆/950116/西淡町志知
 

 

 実をいうと、この写真の堆肥散布車は、当HPの趣旨からはすこし外れる見方で収録した。
着目点はどこにあるかというと、この堆肥を跳ね飛ばす羽根車の角度である。たいてい見られる散布装置の羽根車は、
横に寝ている。写真のように、縦に取り付けられたものは、ごく少数にとどまるに違いない。私が目にしたものでも、縦置きの
羽根車はこれを含めて二台しかない。非常にめずらしく、記録収集するに値するものなのだが、残念なことに
散布装置は「タカキタ」という農業機械メーカーの量産品なのだ。
それゆえ、淡路島内における手作りの農民車を集めることを目的としたこのHPから見ると、あまり魅力的な車体とはいえない。
しかし珍しいのは確かで、私のアルバムにしまいこんだままにしておくのももったいない。そこでこのどう考えても
散布効率の悪そうな羽根車をみていただくことにした。

 この角度で得られる利点といえば、跳ね飛ばす堆肥が水平より上には飛び散らない、ということだろうか。
横置きのものだと、回転数を上げすぎると堆肥は真上に飛び上がってしまい、さらには運転席にいる人間の頭に
落下しかねない事態にもなる。これは大変よそわしいことなので、その対策として縦置きにしたのかもしれない。
なかなかいい発想の転換だったかもしれないが、そんなに多く売れていないところをみると、やはり欠点のほうが目立ったのだろう。
コンベアーに載った堆肥が少なくなってくると、回転する羽にあたる量も少なくなって、地面へ飛び散る面積が
小さくなる。何度も撒きなおしているうちに、堆肥の濃淡ができてしまったりする。均一の作物を作るには、
育成条件を均等にしなければならない。農作業とはむずかしいのだ。

 その欠点を補うため、荷台の壁に板を足して搭載できる堆肥量を増やしている。夜間の作業に備えて、コンベアーを
照らすライトも追加されている。

 ところで、日付をみると大地震の前の日になっていた。
のんきに農民車の写真など撮り歩いていて、まさかあんな天災がおきるとは、想像もできなかったなあ。

 

 

    ■236.
 
 
 
 
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このページを更新してからだいぶ経った平成十七年の年末ごろ、
岡山県東部で水稲栽培をしているという
兼業農家の中務(なかつかさ)さんからメールをいただきました。

メールには、
「久しぶりに通読させていただき、気付いた点を何点かお知らせしたいと思います。」
と書かれており、近野自身が疑問だったり、また
気付かなかった点をいくつか丁寧に解説してくださっています。
実際に農業に従事されている中務さんのご指摘はたいへん的確で、
ここに掲載させていただきます。

このページでは、近野の回転羽根角に関しての
疑問に対する回答です、


・・・ビータ(羽根)の形式は、堆肥をどの様に散布するかで選択されます。
牛糞堆肥は肥効が低く、大量散布(水田なら10aあたり1〜2tも撒きます)の
傾向が強いので、横軸ビータを選択するのが普通です。
しかし、鶏糞や豚糞の場合は肥効が高く、少量散布(牛糞の半分以下)で
事足りますから、散布作業を効率的に行うために縦軸ビータやディスクビータが
選択されるようです。

横軸ビータは作業機より若干広い程度の幅でバサバサと散布しますが、縦軸ビータ
やディスクビータの場合は横回転していますから、
作業機よりかなり広い幅に撒き散らします。
マニアスプレッダの面積あたり散布量は、床コンベアの速度と、
散布幅と、散布車の速度との兼ね合いで決まるのですが、
床コンベアの速度とビータの回転数は連動していて、
作業機としての適正な回転数が概ね決まっているので、実際には作業車の
車速で調整します。

縦軸ビータやディスクビータを使用すると、散布幅が広い分だけ
作業車の往復回数が減らせますが、横軸ビータと同じ量を散布するためには
相当ゆっくりとした車速で作業するか、
散布範囲を重複させたり、2度撒きするなどの工夫が必要になります。

お見込みのとおり、牛糞堆肥を使用するなら横軸ビータが一般的で、
縦軸やディスクは少数派だと思いますが、
化成肥料も使用しながら、牛糞堆肥を土壌改良材的に使用する農家も
ありますので、牛糞堆肥=大量散布の公式は絶対では有りません。




これはほんとに専門家のご意見で勉強になりました。
たぶん、実際に中務さんもこうした散布機を使っていらっしゃるんでしょう。
私の見た範囲内では、淡路島では一般的に牛糞を畑に撒いておいて、化成肥料を
歩きながら手で、もしくはリュックサックのように担げる道具で少しずつ撒いています。
化成肥料だけを撒いている所もあるのかもしれません
(ひょっとすると、あれは農薬かもしれませんが)。
おそらく、伝統的に牛を飼育していた経緯から牛糞を利用しているんだと
推測しています。島内に大規模な養鶏農家はそんなにありません。
私は自分の趣味で木を植えるんですが、その際に肥料を買い求めても
「鶏糞はキツイからやめとけ」とよく店の人に忠告されます。
コンクリートの床とスレート屋根でできた堆肥置き場や、機械でかきまぜる
規模の大きな発酵施設もよく見ます。昔ながらで小山のように積み上げただけの
やり方もいまだにあります。やはり淡路島では牛糞の堆肥が主流のようで、
それであんまり回転軸が垂直のものを見ないのだと思います。

しかし、この散布機は「マニアスプレッダ」というんですね。
なんだかオタクを切り刻んで血シブキあげてるような響きがありますが…。
いや、これは余計な話でした。


中務さん、これからもお気づきの点あらば
どんどんご指摘ください。
ありがとうございます。

中務さんへのメール

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