■faf4×

                                             …………………bX
                                            







                                                ■463.faf4×4/010721/五色町鮎原鮎の郷





厳密にいうと、この車両は農民車ではない。
ここは新規住宅の建設現場で、どうやら資材の搬入出に使われる建設会社の車両らしい。
この手のトラックは、農民車が存在する淡路島に特有のもので、せまい現場でもそれなりの
量を運べて重宝する手段である。ゆえに、小規模な会社ほど所有する割合が多い。
この車も、できるだけアオリを高くとり、前後車輪の間隔をひろげて安定性を確保して
いちどになるべく多くの資材を運べるよう造られている。








                                              ■464.




エンジンは可搬式の空冷では大きなクラスで、バッテリーも大きめ。
これは重い荷台をダンプするためにも必要だったのだろう。
しかし見たところ油圧のパワステはないようで、重量物を積んでの取り回しは
骨が折れることだろう。2トンくらいは積めそうだが、それだけ積んで据え切りなどすると
ハンドルを回すのも一苦労だ。
てっきり四駆だと思っていたけど、みれば後輪駆動。
あくまでコストパフォーマンス重視であるが、
質実剛健でシンプルな、いいダンプトラックだと思う。
現場仕事に余分な気配りはいらない。
必要な構造からだけうまれる形がその美なのだ。






                               ■465.



サイドミラーがなくなっていて、なぜか指示器は右側だけ残っている。
背後では、まさに鉄骨が組まれているところだが、
実はここ、県道沿いでとくに道路が狭いわけでもない。
所有会社は撮影場所から百メートルも離れていないので、会社にある資材をこれで運んでいるのだ。
そこまでの道も対面通行がやっとの田舎道で、通行量も少ないので
これを使っているのだろうが、もう少し遠ければレンタルトラックの出番だろう。
ほんとにもっと狭い道の現場ならば、まず積載車でこいつを運び、
レンタルトラックで任意の位置まで資材を運んでから
こいつで中継する寸法だ。


最低限の部材で組まれたデザイン。
見れば見るほど奥深い。
十年以上経過したいまでも、まだ使っているだろうか。



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