■faf4×4
この写真だけみると、涼しげな夏の高原に農民車があるようだが、そうでもない。
後ろの雑木が細くてまばらなので、そんな気になるのだが、それはたんに木が若いだけのことだ。
それより、農民車である。
この車が搭載するエンジンは、たしかに農機用空冷のはずだが、どういうわけかエアクリーナーが
乗用車エンジンのドラム型に変えてある。おまけに本来の燃料タンクはどっかにいっていて、荷台の下にある
これま乗用車エンジンを積んだ農民車によくあるタンクから燃料を供給しているらしい(写真200.)。
これは勘だが、おそらく排気管も乗用車用のものではないのではないか。車体そのものも、単気筒エンジン用としては
大きすぎるようだ。
たぶん、もともとは乗用車用の空冷ニ気筒、水平対向のエンジンを積んでいたのではないだろうか。そのエンジン本体は
修理不能にまで壊れたので、使える部品だけは次の農機用空冷エンジンに取りつけた…というのは考えすぎだろうか。
手間がかかるわりには、そう経費節約にはならないような気もする。
まあ、いずれにしろ変わった農民車ではある。
荷台のほうは、見るも無残にペンキが錆で浮いてしまっている。シートもボロボロだし、もしかすると
捨てられたのかな、と撮影時は思ったが、数時間後に再び訪れたらなくなっていたので、まだ使っているのだろう。
いや、ひょっとするとスクラップ場へいったのかも……いろいろと考えを巡らせてくれる農民車だ。