■fwf4×2
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■160.fwf4×2/950604/緑町
さて、この農民車も前項同様にごくふつうの農民車である。
ちょうど田植時期の昼飯頃、とおりかかった農家の納屋をのぞいてみたら、こんなレイアウトになっていたのである。
使用者の性格をうかがわせるように、納屋全体の様子もきちんと整頓されていて、農家特有の雑然さがない。タタキがきれいに
掃かれた納屋というのも、なかなかないものだ。
サイドミラーに帽子をひっかけ、鍬が二本とほうきが一本たてかけてある。手前には脱いだばかりの地下足袋と草履、それと
画面の右側にはスニーカーも一足あった。両親と長男といったところだろうか。昼飯をたべて、一服している最中なのだろう。
運転席と荷台のあいだにある仕切りには、半円形の切り欠きがみっつある。稲わらを干すときに、「ウマ」と呼ばれる竹組みを
使うのだが、その竹を積む際のひっかかりだろうか。アングルの鳥居さんが邪魔で使いづらそうなので、そういう
やり方はしていないのかもしれないが…。
タイヤのほうは、おそろしく幅の薄いものだ。古い農民車にはこんなタイヤがおおいが、ぬかるんだ田んぼには入れないので
不便さがある。もっとも、見た目には軽快で味がある。
この農民車は古そうだが、実にきれいに使われていてしあわせそうだ。やはり、ていねいに使われたものは長持ちするものだ。