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             ■142.fam4×2(バ/951229/三原町西川

 

 

 

 バキューム車のタンクは、造るのになにか特別な技術がありそうだ。鉄板やステンレス

鋼鈑を円筒や楕円に丸めたりするのは、どうやってやるのか見当もつかない。

 農民車のバキューム型は、多くは既製品のタンクを使っている。地元で造ったらしいものも

見ることはあるが、やはり既成のものにはコストパフォーマンスの点で及ばないのかもしれない。

 

 写真のものは、どう見ても地元の工場で製造された手作りである。四角いタンクなど、糞尿を収める

容器としては邪道なものだ。こんなものをきちんとしたメーカーが造るはずもない。

 

 四角い水のタンクと言うのは、鮮魚を運ぶトラックとか、養魚場の水槽なんかで見られる。

たいていグラスファイバー製のものだ。鮮魚がよくて、糞尿がなぜ四角の箱は駄目なのかというと、

それは掃除ができるかどうか、にある。

 鮮魚は海水か水で、底のバルブをひらけば簡単に中身を出しきることができるのに対して、

糞尿はそう簡単には出ない。つまり底が平たいと、わずかに車体が傾いても、写真143.のように一ヶ所しかない

バルブからは容易に中身が出ないのだ。

 魚の水槽は、真水で上から洗い流せばきれいになる。しかし、糞尿のタンクは上部がほぼふさがっているし、

水を入れたくらいでは、隅にこびりついたものは容易に取れないだろう。傾いていればなおさら取れない。

アンモニアの塊が残っていると、鉄板はテキメンに腐食しはじめる。いったん錆びると、どんどん広がるのが

目に見えるようだ。

 

 写真のタンクは、まだ錆びきってはいないようだが、やがて使い物にならなくなるに違いない。

この車台はかなり長大だが、みたところ無用の長物と化しているようで、左前輪のパンクもほったらかしだ。

 

 農民車が成功するか失敗するかは、製作者の思いつきと、使用者の根気にかかっているのかもしれない。

 

 

 

 ■143.

 

 

 

 

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