■fwm4×2
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■115.fwm4×2/930609/五色町都志
六月にはいると、若葉がそろそろと濃くなりはじめ、空気もしめってくる。陽光には紫外線がたっぷり
含まれるころあいだ。
背もたれの臙脂色も、車体の錆び止め塗料の赤もエンジンの朱色も、背景の緑と青に映えて毒々しいほどだが、
べつに意識して選んだ色でもないだろう。背もたれもエンジンも中古だし、錆び止めは単に錆びないために塗っただけだ。
もし錆び止めが金色だったらば、金色の農民車が出現したかもしれない。
ぱっと見、均整のとれたいい農民車といえる。シルエットだけをとれば、一流メーカーの設計者も唸るかもしれない。
軍事愛好家の私などは、「重巡高雄」を思い起こしてしまうが、みなさんはどうだろう。
■116.
よ〜く見ると、左右のフェンダーカバーの幅が違っていたりする(115.参照)。エンジンの取りつけ位置が、ここにしか納まらなかったのだろう。
さらにフェンダーは後ろが高くなっている(116.参照)。これなどはちょっと思いつかない角度だが、理由はなんだろう。
普通は水平にするものだが、雨水のながれを少しでもよくするためだろうか。たまたまこうなったのだろうか。
座席にはクッション代わりにドンゴロスになにか詰めておいてあるが、117.を見てほしい。
■117./911116
117.は同じ農民車を一年半ほど前に撮った写真だが、この時点でクッションは透明のビニール袋である。
この間にぼろぼろになったのだろう。……別にどうということはないが。
写真118.は、再び93年6月9日のものだが、この日の夕方にたまたまこの場所に来たら、車を倉庫に入れるところだった。
親父は身長160cmそこそこだと思うが、それでもこの姿勢にこの窮屈さだ。
見かけがかっこよくとも(?)、農民車がいかに人間工学というものを配慮していないかがわかるだろう。
親父はこのせまい傾斜地で、バックしてせまい倉庫にいれようとしている。丁寧な人だ。
■118.