■fwr4×2
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■110.fwr4×2/920923/北淡町轟木
例の地震のせいで、やたら有名になってしまった北淡町の農民車である。私が収拾したもののなかでも
島の最北端にあるものだ。
この車輪間の長大さはどうだろう。まるでダックスフントのような格好だ。こういうふうに、車幅をつめつつ積載量だけを
追求したような近視眼的な設計をすると、あとで泣きを見るはめになる。
一目見ればわかるように、この前後輪の間隔ではちょっとした段差で、すぐに底をすってしまうだろう。するだけなら
いいが、農民車の場合は底板で保護されているものではない。駆動シャフトやブレーキ軸、エアクリーナーホースまで
むきだしである。あんまり地面があたって気持ちのいいものでもない。
荷台は鉄製なのだが、このアオリ板を起こすのは大変に重い作業だろう。鉄板の重さをなめてはいけない。うすっぺらな
鉄板も、これだけの面積を構成しているとなれば、溶かして塊にするとどんなに重いものか想像にかたくない。
出来あがる前は非常にわくわくといい夢をみたろうが、実際に使ってみて呆然としたにちがいない。
「なんちゅう使いづらい車や!」と。
はたして、この農民車は荷役として使われているのだろうか。しかし、たとえ動かないとしても、ダンボールによって鉄の荷台が
きれいに磨かれた様をみてほしい(写真111)。
ここまで使い込まれれば機械も満足だろう。
■111.