■400.fwr4×2/910211/五色町鮎原吉田
汚い画像でまったく申し訳がない。
ハーフサイズでいまから四半世紀以上昔のネガから安物のフィルムスキャナーで取り込んだものなので、
いろいろと補正をかけてみたがこれ以上もっともらしくならない。
次はもっとひどいのだ。
■401.
あああ、なんてこった。
これじゃあプリントから取り込んだほうがよかったか?
でもまあ、カラーバランスはともかく、細部のつぶれ具合は似たようなものだ。
さっさとデジタルデータに変換していかないからだ。
ずぼらな奴め!
……話を本筋にもどそう。
fwr型としては最も小型の部類に入ると思われるもので、前輪と後輪の直径差が著しい。
なんとなく古風な印象があるのは、多数のボルトで留められたアオリ板の蝶番が
独特なためだろう。
普通、木のアオリ板には全周にわたって板を取り巻くL字鋼が使われる。
補強と摩滅を防ぐためだが、造るのに手間がかかるのと、アオリがやや重くなるのが
欠点だ。そこでこの農民車は前頁のfwr型と同様に平帯鉄で造られた三枚の蝶番で
その機能を最低限、はたしている。
■402.
運転席は車体左右中央にある。しかしハンドルポストの左傾斜が異様である。
もとは何の市販車かわからないが、もっと広い車幅だっただろう。
その車軸の左部分を切り縮めたが、ステアリングギアボックスは中心にはこなかった。
しかし運転席は中心に置かれているのでこうなったのだろう。
ブレーキとクラッチのペダルも右寄りでえらく高いところにあって、
踏み込むのに難儀しそうだ。
おまけにサイドブレーキもとんでもない位置に付けられている。
降車時は足を引っかけて転げ落ちないよう、要注意である。
前輪のキャンバー角はほとんどないようだ。
■403.
牽引用のピンを挿す金具がエンジン架の端についているが、重量物をいきなり
引くと、そのエンジン架が曲がってしまいそうで怖い。
これが曲がったら構造に致命的な故障をきたす。
荷台下の中央につけると給油の邪魔なのだろうが、もうちょっとなんとかなあ…。
でも雑な使われ方はしていないようなので、多くの同類に比べると幸せな個体だ。
なんだか欠点ばかりあげつらってしまったが、
最近の機能的できちんと安全性を考慮している農民車にはない魅力は確実にある。
軽くて上り坂に強く、狭い道でも足元が見やすい。
ものを運ぶ、というひとつの機能だけあればいい。
そんな姿は、この退色著しいフィルムでしか見られなくなりつつある。