▼小松農民車(その2)

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■小松農民車
 
 

 

さて、久々の更新はまたしても他人様からの情報です。
いつもお世話になってる、滋賀県のsawaganiさんがまたまた見つけて来られました。
派生型のNo.8で古書の海 珊瑚海さんが発掘した記事、
「小松農民車」の現物を発見したというのです。
いやー、びっくりですねー。

(前略)
派生型(特殊車両)のNo.8で紹介されている小松農民車の
実物を見ることができる場所をみつけました。

その場所は、石川県小松市にある日本自動車博物館です。
http://www.mmjp.or.jp/motorcar-museum-of-japan/

先日、旅行で(今回は出張ではありません)日本自動車博物館に立ち寄った
際、小松農民車が展示されているのを見つけました。

この博物館には昔の軽自動車もたくさん展示されており、
それらの愛らしいデザインもたっぷり楽しむことができます。
展示車両のコンディションや、説明文の詳しさなどは
愛知県にあるトヨタ博物館ほどではなかったけれど、

わりとだれもが楽しめる博物館だと思います。
そうそう、キューベルワーゲンもありましたよ。

近野さんがときどきおっしゃっているように、
淡路島の農民車も博物館に収蔵する価値はあると思うのですが…。

追伸:
「懐かしの軽自動車」(中沖 満著・グランプリ出版)という書籍にも
小松農民車の紹介はでています。

(二通目のメール)

博物館で小松農民車を発見したときはびっくりしました。
現存している車両があったのか!という驚きと、
こんな車両を展示するのか!という驚きです。

この車両以外に農機は展示されておらず、
また、この車両以外にコマツの建機などは展示されていませんでした。
ということは、自動車博物館ではこの車両を「くるま」の範疇で捉えているのかも。

自動車が庶民に普及する前夜のようなタイミングで生まれた小松農民車は、
農作業にも使えるけれども。あくまで自動車という位置づけだったのかもしれません。


sawaganiさんへのメール

sawagani@pop16.odn.ne.jp


いただいた添付画像は、例によって細部がよく見えるように
近野が補正してみました。
現物の色合いがどうなのかわかりませんが、いずれにしろ
相当派手な塗装だったようです。
「赤い彗星」ならぬ「柿色の彗星」。
これが昭和三十年代の田舎道を走っているのを想像すると、
ほんとに楽しくなりますね。
No.8の白黒写真と比べてみると、いろいろと細かい違いがわかります。
前端部のフックが少ないとか、運転席の造作が凝ってるとか、
エンジンカバーにスリットが追加されてるとか。
バックミラーもありませんが、これは無くなったのかも。
後席も取り外されて、どっかの農家でベンチになってるかもしれませんね。
雑誌の記事に載ったのは小松の試作車両で、
実際の生産現場では、造るごとに工夫をしていったのかもしれません。
ほとんど手造りだったろうし、何百台も造ったとは思えませんしね。
機能のみを追及した機械には、「デザイン」などという
ハイカラな観念がない分、かえって斬新さがあります。
ハンドルの単純さは、たぶんこれ以上考えられないでしょう。
タイヤハウスにはいってるスリットは何の役目をしてるんでしょうね。
いや、とにかくいいものを見ました。
私も、もし博物館でこの車を見つけたら死ぬほど驚いたと思います。
きっとキューベルよりびっくりするでしょうね。
sawaganiさん、ありがとうございました。
それにしても背後にある西洋甲冑はいったい何。
日本自動車博物館、あなどりがたし。


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