■423.cwr4×4(フ/190130 洲本市前平
これを農民車の範疇に入れていいものか迷ったのですが、せっかくの贈り物なので掲載することにしました。
普段からお世話になっているおたけさんからのメール添付写真です。
「日本晴れ」
というべき完璧な晴天に、より青い車体色のフォークリフトです。
近野もこの車体には気づいておりましたが、私が見たのは旧三原町国衙のイオン周辺
だと記憶しております。道路沿いの農産物直売所に停まっていました。
あいにくカメラも時間もなかったのでそのままでしたが。
写真のフォークリフトは、近野の想像では市販のエンジンフォークリフトを
改造したものでは、と考えます。あるいは同様の部品を寄せ集めて組み立てたか。
フォークリフトは乗用車と違って特殊で頑丈な部材ばかりで、何トンもあるような
荷物を高い位置まで上げるには、町工場の技術では大変でしょう。
おそらく足回りと車台、走行装置と昇降マストにフォークを流用し、大径のタイヤをつけられるように
座席とエンジンを高くして、ハンドル軸とペダル類を延長してあるのだと思います。
あるいは、このデカいタイヤよりもデカいタイヤのフォークリフトがあるのかも
しれませんが……。
いやいや!上記の説とは違って、車台は堆肥を発酵させる屋根付きの施設でよく見かける
小型のホイールローダーが使われているのかもしれません。普通、フォークリフトは前輪が大きく、
後輪は旋回半径を小さくするために極端に小さいからです。そういう前後輪の高さを同じに
するには、なかなか大変な手間になるので、小型ホイールローダーならばその
加工は不要だからです。なるほどそうか!フォークリフトにデカいタイヤをつけるんじゃなくて、
ホイールローダーにフォークとマストをつければ簡単なのだ!
……って、全部近野の妄想です。
それにしてもアルミホイールが目立つなあ。
よけいなこととは存じますが、細部がよく見えるように補正したものを掲載します。
影のところがだいぶわかりやすくなりましたね。
パーキングブレーキはギヤのない方式で、かかりが甘くて坂道をころがりだす、
ということがないものです。位置からして、やはり市販車の移植と思われます・
一番後ろに、へんな円盤がついてますが、これは前で荷物を持ち上げたときの
バランスウェイトでしょう。あんまり重いのを上げると、前輪を軸に後輪が天秤のように持ち上がってしまうのを
防ぐ役割で、普通のリフトはコンクリートの塊を成型したのがついてますが、
これは適当なスクラップの鉄塊を代用しているのでしょう。コンクリートよりも車体が小さくできます。
ひょっとすると、そのすぐ前の直方体も鉄の塊かも。
エンジングリルに袋に入ったなにかがひっかけてありますが、
これはナンバープレートですかね。
こういう需要があるなら、大手メーカーも農業用のフォークリフトを造ればいいのにと
思いますが、不整地で重量物を持ち上げると重心があがって
転倒するのがいちばんのリスク。畑なんかだと軟弱地盤でよけいあぶなくて、
ちょっと手が出せないのでしょう。
そこは常に発注者の要望を受け入れる農民車職人、農家の生産性を上げるためなら
こんなものまで造ってしまうのですね。
しかし、ふつうフォークリフトは未舗装の地盤にはいっただけでタイヤが埋まりこんで
しまうものですが、この大径タイヤの接地圧がひくいのか、
それともフォークリフトとしては車重が軽すぎるのか。
畑から車に収穫物を積むのにはたしかに便利そうですが、
ひっくりかえらないことを祈ります。
■424.cwf4×4/洲本市前平 190130
こちらはご存知、ウエハラ・スーパー。ダンプリフト。
同じ形状の農民車はもう三十年あまりも見ているような気がしますが、
ますます洗練されてきています。農民車もここまで来たのですねえ。
「鳥居さん」の増加抑え板?も、手間のかかった造作で頭が下がります。
きっと使っている人も大事につかい、重宝していると思います。
ちなみに、二十年前のは
こちら。
微妙に変化がありますが、進化の過程なのか発注者の意向で違いがあるのか、
そこは不明です。
なにはともあれ、おたけさん、素晴らしい写真をどうもありがとうございました。
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